AIで作るアニメーションMVの作り方完全ガイド|RPG風ミュージックビデオの制作記録
近年、AIの進化により個人でも高品質なミュージックビデオ(MV)を制作できるようになりました。今回は、ChatGPTとViduというAIツール、そしてWondershare Filmoraを活用してアニメーションMVを作った過程を、具体的な作り方とともに紹介します。
ミュージックビデオのコンセプト:RPG風冒険ストーリー
今回のMVは、RPGゲームのような異世界冒険をテーマにした構成です。毎日に退屈している高校生の少年が、突如として空から現れたイーグルに連れ去られ、ロックな女性とともにファンタジー世界を冒険するという物語です。
使用したAIとソフトウェア
- ChatGPT:構成作成、画像生成プロンプトの作成
- Vidu:画像をアニメーション動画に変換
- Wondershare Filmora:アニメーション素材を編集し、MVとして構成
AIを使ったMVの作り方
それでは、実際にどのようにMVを制作していったのか、時系列に沿って説明します。
1番:現実から冒険へ
- 女性が夕暮れのバーでビールを飲む
金髪でロックな女性が、海辺のバーでビールを飲んでいます。常にヘッドフォンをつけて曲を聴いています。 - 少年が朝、眠たそうに目覚める
ベッドの上でヘッドフォンをつけた少年が目覚めます。彼もまた、同じ曲を聴いている設定です。 - 登校中の退屈な日常
学校生活にうんざりしている少年の様子が描かれます。 - 空からイーグルが現れ、少年を連れ去る
突然現れたイーグルが、少年を異世界へ連れていきます。 - ロックな女性が空を飛ぶ
少年の冒険と並行して、女性も空を舞っています。



2番:現実との再会、決意の飛翔
- 学校のグラウンドから見上げる女性とイーグル
現実世界のグラウンドから、女性とイーグルが教室の少年を見つめます。 - 少年、屋上へ向かい飛び立つ
衝動的にカバンを投げ捨て、屋上から空へ飛び立ちます。 - 夕方の空を少年が飛ぶ
夕焼けに染まる空を自由に飛ぶ少年の姿が印象的です。



間奏:嵐の夜、最終決戦
- 嵐の海に現れるドラゴン
稲妻が走る夜の海に、巨大なドラゴンが現れます。 - イーグルとドラゴンの激闘
イーグルが命を懸けて戦い、ついにはドラゴンに勝利します。



Cメロ:宝探しとトロッコの冒険
- 洞窟で宝箱を発見
少年・女性・イーグルの3人は洞窟を探検し、光り輝く宝石を発見します。 - トロッコでの脱出劇
インディージョーンズをオマージュとした、トロッコに乗って洞窟を進むスリリングなシーンです。



大サビ:夜明けの空を飛ぶ
3人が朝焼けの空を一緒に飛び、未来への飛翔を象徴する感動的なクライマックスを迎えます。



エンディング:夢から覚める少年
少年が再び自室で目覚めます。冒険は夢だったのか、それとも現実だったのか。余韻の残るエンディングです。


AIでアニメーションMVを作る魅力とは?
- コスト削減:外注不要で自作可能
- 高速制作:従来の数分の一の時間で完成
- 自由な表現:アイディアを即映像化できる
MV制作における重要ポイント
- ChatGPTを活用したプロンプト設計
- Viduによる自然なアニメーション化
- Filmoraによるタイムライン編集と音楽シンクロ
AIのハルシネーションを“魅力”に変える方法
AIのハルシネーションとは?AIによる映像生成では、時として「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれる現象が起こります。これは、AIが意図していない形で情報を生成し、実際には存在しないものや不自然な構造を映像に出力してしまう状態を指します。
たとえば次のような事例があります:
- キャラクターの手や足の本数が不自然に増える
- 背景が歪んだり、空間が非現実的に変形する
- 顔が崩れたり、目の位置がずれる
- 建物が溶けたように見える
こうしたハルシネーションは一見「ミス」や「失敗」のように思えるかもしれません。しかし、MVやアニメーションの世界においては、むしろこれを幻想的な演出として活用することができます。
活用方法のポイント
1. 全画面ではなく、部分的に使う違和感のある映像をフルで使うのではなく、短くカットしたり画面の一部にのみ使うことで、幻想的な印象を与えることができます。光やエフェクトを加えれば“意図的な演出”に早変わりします。
2. 夢や異世界のシーンに当てはめる今回のMVでは「少年が夢の中で異世界を冒険する」という構成だったため、非現実的な映像がむしろ物語に自然に溶け込みました。夢の中や異世界ならば、歪みや不条理がむしろリアルに感じられるのです。
Wondershare Filmoraで加工・修正動画編集ソフトFilmoraでは、グリッチ、色補正、ぼかし、逆光などのフィルターを駆使することで、AIの粗さを演出として整えることができます。違和感をアートに昇華するテクニックです。
4. 印象的な異世界感を演出するために積極的に使う空間が溶けたり、重力が無視されたような描写は、ファンタジー世界や夢の中を表現するのに最適です。あえて「不自然さ」を残すことで、MV全体の世界観を際立たせることが可能です。
実際に活用した例
- イーグルの羽ばたきが崩れた → スローモーション+逆光エフェクトで神秘性を演出
- 洞窟の壁が歪んでいた → トランジションで“変化する空間”のように表現
- 女性キャラの顔が崩れた → 映像を短くし、光の重ねエフェクトで幻想的に
AIの不完全さは、クリエイターの創造力で完成する
AIはあくまで「素材生成のツール」です。その出力をどう解釈し、どのように作品としてまとめるかは、クリエイター次第です。ハルシネーションは“エラー”ではなく、“可能性”です。あなたのアイディアと編集スキル次第で、それは唯一無二の魅力的な演出になります。ぜひ、AIの不完全さを味方にし、新しい映像表現に挑戦してみてください。
まとめ:AIとともに創る未来のMV
AI技術の発展により、誰でもアイディア次第で高品質なアニメーションMVを制作できる時代になりました。今回のようなRPG風ストーリーも、AIツールを活用すれば1人で表現可能です。
あなたも、自分だけのミュージックビデオをAIで作ってみませんか?