「声が小さい」「高音が出ない」「音程が安定しない」「喉がすぐ疲れる」
こうした悩みは、才能やセンスの問題に見えがちですが、実際は多くの場合 “声の仕組み”と“使い方”のズレ が原因です。
この記事では、ボイストレーニング(ボイトレ)を 呼吸・声帯・共鳴 の3軸で整理し、初心者でも今日から実践できる練習メニューを、順番通りに紹介します。
ボイトレ完全ロードマップ
- 声が出ない・声量が上がらない根本原因
- 腹式呼吸が「できてるつもり」になってしまう理由
- 音程がズレる原因と、耳と声を分けて直す方法
- 高音が出ない時に起きていること(喉締め・支え不足・共鳴不足)
- 声帯を守りながら上達する練習順序と注意点
なぜ「思い通りの声」が出ないのか?(原因は3つ)
声はこの3要素が噛み合って成立します。
- 呼吸(息の流れ):声の燃料
- 声帯(振動):音の発生源
- 共鳴(響き):声の通り道・ボリューム
どれか1つだけ頑張っても、うまくいきません。
「腹式呼吸だけ」「ミックスだけ」など、単発でやると伸び悩むのはこのためです。
【第1章】ボイトレはまず呼吸から|腹式呼吸を“安定した支え”に変える
腹式呼吸=お腹を膨らませるだけ、ではない腹式呼吸の本質は、胸をバタバタさせずに 横隔膜の動きで息を安定させること。
ここができると、声量・音程・高音のすべてが改善しやすくなります。
目的:胸呼吸を減らして、息の土台を作る
- 仰向けに寝て、お腹に手を置く
- 吸う→お腹がふくらむ/吐く→お腹が戻る
- 胸や肩が大きく動かないようにする
ポイント
- 「たくさん吸う」より「下に広がる感覚」が大事
- 胸が上がると、声が揺れやすくなります
目的:歌う時に息がブレない状態を作る
- 立って息を全部吐き切る
- 5秒でゆっくり吸う
- 10秒で「スーー」と一定に吐く
注意点
- お腹は固めすぎない(柔らかく支える)
- 肩を上げない
- 息のスピードを一定に
目安:1日10回×3セット(慣れたら12秒→15秒へ)
【第2章】音程が不安定な人の直し方|「聴く力」と「出す力」を分ける
「音程が取れない」は、ほぼ次のどちらか(または両方)です。
- 正しい音を認識できていない(耳)
- 認識できても声で再現できない(声帯コントロール)
最短で改善するなら、耳と声を別トレにします。
【練習3】単音まね(耳トレ10分)目的:音程感覚を“合否判定”から育てる
- ピアノ or チューナーアプリで音を鳴らす
- その音を声でまねる
- 録音して「合ってる/外れてる」だけ判定
- 50回×2セット
ポイント
- 最初は「高い/低い」まで判断しなくてOK
- 合否が安定してからズレ方向を見ます
目的:狙った音に“ゆっくり着地”できるようにする
- ド→レ→ミ→ファ→ソ
- ゆっくり
- 各音で2秒止まる
- 録音して確認
注意
- 喉で押し上げない
- 姿勢を崩さない
- 息を一定にする
目的:音程の揺れグセを減らす
- 出しやすい高さでOK
- 10秒キープ
- 5回×3セット
【第3章】高音が出ない原因と改善|“喉”ではなく“支えと響き”で上げる
高音が苦しい時、多くは次のパターンです。
- 喉で押している(喉締め)
- 息が足りない or 息が暴れている
- 響きが上に抜けていない(共鳴不足)
- 地声と裏声の境目でひっかかる(声区の段差)
つまり、高音は「筋力」より 出し方の整理 で伸びやすいです。
【練習6】声帯ウォームアップ(合計5分)目的:高音で壊れない準備
- リップロール:2分(低めから)
- ハミング:3分(顔の前側に響きを集める)
目的:地声↔裏声の境目をなめらかにする
- 「ウー」で低→高→低
- できるだけゆっくり
- 声が途切れない範囲でOK
- 3分×3セット
ポイント
- 無理に地声で張り上げない
- “つながる範囲”を毎日少しずつ広げる
【第4章】声量を上げる方法|大きく出すより“通る声”を作る
声量アップは、単に音量を上げるより 共鳴(響き) を整える方が安全で速いです。
声量が出ない人に多い原因
- 息が弱い(支え不足)
- 息が強すぎる(声帯が耐えられず枯れる)
- 響きが前に飛ばない(喉声になる)
目的:声を前に飛ばして、喉負担を減らす
- 「ング」で鼻腔の響きを探す
- 響きを保ったまま「マ行」へ
- 5回×3セット
【第5章】喉を守るボイトレ習慣|上達の前に“故障しない”を作る
声帯を守る基本(5つ)- 水分補給(乾燥を避ける)
- 睡眠(回復が最優先)
- 加湿(50〜60%目安)
- 刺激物を控える(荒れてる時ほど)
- 発声後は声の休憩を入れる
声が枯れた時の対処
- まず会話も含めて声を休める
- スチームで保湿
- 温かい飲み物
- 数日続くなら耳鼻咽喉科へ
【第6章】おすすめ練習メニュー(毎日版・短縮版)
忙しい人向けに、最低限のセットにまとめます。
毎日メニュー(30分)- 横隔膜確認(3分)
- 支え呼吸(5分)
- リップロール+ハミング(5分)
- 5音スケール(10分)
- サイレン(7分)
- 支え呼吸(3分)
- リップロール(2分)
- 5音スケール(5分)
よくある質問(ボイトレQ&A)
Q. どれくらいで効果が出ますか?個人差はありますが、呼吸の安定→音程の安定→高音の伸びの順で変化が出やすいです。
録音すると変化が早く実感できます。
痛みがある時は原則ストップ。
無理をすると回復が遅くなります。軽いハミング程度に抑えましょう。
まとめ|声は“正しい順番”で必ず変わる
- 声の土台は 呼吸
- 音程は 耳と声を分けて
- 高音は 喉で上げず、支えと響きで上げる
- 上達には 継続と記録(録音が最強)
- 痛みが出たら止める(ここがプロの習慣)
次にやること(最短の一歩)
今日やるなら、まずはこれだけでOKです。
「支え呼吸10秒×10回」+「リップロール2分」
これができると、声のブレが一気に減ります。



