声が枯れる原因と正しい治し方|歌いすぎても壊れない発声習慣
「少し歌っただけで声が枯れる」「喉がヒリヒリして翌日まで治らない」「練習すればするほど調子が悪くなる」。
こうした症状は、単なる歌いすぎではなく、声帯に負担のかかる発声習慣が原因で起きていることが多いです。
本記事では、声が枯れる原因、喉を壊しやすいNG習慣、声帯を守りながら上達するボイトレの進め方、枯れたときの正しい対処法をまとめて解説します。
声が枯れるのは「声帯が炎症を起こしているサイン」
声が枯れている状態は、声帯がむくみや炎症を起こし、振動がスムーズに行えなくなっている状態です。
一時的な枯れに見えても、同じ負担を繰り返すと回復に時間がかかったり、慢性化して「枯れやすい声」になってしまうことがあります。
「少し休めば治るから大丈夫」「鍛えれば強くなる」と考えて無理を続けるのは危険です。
まずは原因を知り、声帯への負担を減らす発声習慣に切り替えることが重要です。
声が枯れる主な原因【4つ】
1. 喉で押し出す発声高音や大きな声を出そうとして、喉に力を入れて押し出す発声になっていると、声帯に強い衝撃が加わります。
この状態が続くと、声帯が腫れ、枯れやすくなります。
腹式呼吸が安定していないと、息の圧力が急に強くなったり弱くなったりして、声帯が揺さぶられます。
結果として、声帯が耐えられず炎症につながりやすくなります。
冷えた状態の声帯でいきなり歌うのは、準備運動なしで全力疾走するのと同じです。
立ち上がりで無理をしやすく、枯れ・痛みにつながります。
声帯は適度に潤っているときに最も効率良く振動します。
水分不足や乾燥は摩擦を増やし、枯れやすさや痛みを招きます。
今すぐやめるべきNG習慣(ボイトレで喉を壊す典型例)
- 喉が痛いのに歌い続ける(我慢して練習量で押す)
- 叫ぶような発声、無理な張り上げ
- 出ないキーのまま練習を続ける
- カラオケで高音曲を連続で歌う
- 水分補給が少ないまま長時間歌う
これらは、声帯への負担を増やしやすい行動です。
上達を急ぐほど、まず「壊さない練習設計」に切り替えることが近道になります。
声帯を守りながら上達する発声習慣(安全な練習の順番)
声が枯れやすい人ほど、いきなり歌い込むよりも「準備→支え→響き」の順番で整えることが重要です。
以下は、毎回の練習前に入れてほしい基本メニューです。
ステップ1:ウォームアップ(合計5分)
リップロール(2分)- 唇を軽く閉じて震わせる
- 低めの楽な音域からスタート
- 途中で途切れても、力まず再開する
- 口を閉じて「んー」で発声する
- 顔の前側(鼻~頬のあたり)に響きを集める
- 喉の押し込み感が出たらすぐに弱める
ステップ2:支えのある呼吸を作る(5分)
- 立った状態で息をすべて吐き切る
- 5秒かけてゆっくり吸う
- 10秒かけて「スー」と一定に吐く
- 上記を10回繰り返す
重要なのは、肩が上がらないこと、吐く強さが一定であること、腹部を固めすぎないことです。
息が安定すると、声帯にかかる負担も安定します。
ステップ3:喉を使わず響かせる(共鳴の基本)
声が枯れやすい人は、声を前に飛ばせず喉で受け止めているケースが多いです。
「ング」で響きを探し、響きを保ったまま「マ行」に移す練習は、喉負担を減らすのに有効です。
- 「ングー」で鼻腔の響きを感じる
- その響きを保ったまま「マ・ミ・ム・メ・モ」へ移す
- 強く出さず、響きが前に集まる感覚を優先する
声が枯れた時の正しい対処法(回復を早める)
枯れた時に最も重要なのは、「原因の負担を止めること」です。
状態別の目安は以下です。
| 状態 | 対処の目安 |
|---|---|
| 少しガラガラする程度 | 発声量を減らす、こまめな水分補給、加湿 |
| 痛みがある | 基本は休声(会話も含めて減らす)、加湿、無理な練習は中止 |
| 数日続く・悪化する | 耳鼻咽喉科で診察を受ける(自己判断で引き延ばさない) |
「枯れたまま練習する」ほど回復は遅くなります。
特に痛みがあるときは、声帯が炎症を起こしている可能性が高いため、休む判断が上達につながります。
声帯ケアの基本(毎日の習慣で差がつく)
- 水分補給:1.5〜2Lを目安に(喉が渇く前に飲む)
- 睡眠:回復のために7時間以上を確保する
- 加湿:室内湿度50〜60%を目安に保つ
- 刺激物:喉が荒れている時は辛い物・過度なカフェインを控える
- 休養日:週に1回は声の負担を減らす日を作る
よくある質問(声が枯れる・喉が痛い)
Q. 枯れていても軽くなら練習していいですか?痛みがない軽い枯れなら、ハミングや弱いリップロール程度で様子を見るのは可能です。
ただし、痛みがある場合は基本的に中止し、回復を優先してください。
声帯を「酷使して強くする」のではなく、呼吸と共鳴を整えて声帯への負担を減らすのが安全です。
結果として、長時間歌っても枯れにくい状態を作れます。
まとめ|声が枯れる人ほど「壊さない発声」を最優先に
声が枯れる原因は、喉で押す発声、呼吸の不安定、ウォームアップ不足、乾燥など「積み重なる負担」で起きることが多いです。
まずは練習の順番を整え、声帯を守る習慣に切り替えることで、枯れやすさは大きく改善します。
- 喉で出さない
- 息で支える
- 響きで飛ばす
- 痛みが出たら止める
まずは「支え呼吸10秒×10回」と「リップロール2分」から始めてみてください。
声のブレが減り、声帯の負担も下がりやすくなります。



