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ギターでドリアンスケールをわかりやすく解説

約7分

ギターでドリアンスケールをわかりやすく解説

ドリアンスケール(Dorian Scale / ドリアンモード)は「マイナー感+少し明るい」独特の響きを持つスケール。構成音・指板の考え方・使いどころまで、ギター目線でまとめます。

ドリアンスケールとは?

ドリアンスケールは教会旋法(モード)のひとつで、ざっくり言うとメジャースケールの2番目の音から始めた並びです。

例:Cメジャースケール → Dドリアン

Cメジャー:C D E F G A B

2番目の音「D」から並べ直す:

D E F G A B C

これがDドリアンです(使う音はCメジャーと同じ。ただしDを主役にします)。

ドリアンスケールの音程構成(インターバル)

ドリアンスケールのインターバルは次の通りです。

1(ルート)
↓ 全音
2
↓ 半音
♭3
↓ 全音
4
↓ 全音
5
↓ 全音
6
↓ 半音
♭7

ここが重要:ドリアンの「キャラ」を作る2点

  • ♭3(短3度):マイナー感(哀愁)
  • 6(長6度 / ナチュラル6th):明るさ・浮遊感・ファンクっぽさ

つまりドリアンは「マイナースケールなのに暗すぎない」のが最大の特徴です。

ナチュラルマイナーとの違い

ドリアンと混同しやすいのがナチュラルマイナー(エオリアン)。違いは主に6度です。

スケール 6度 響きの傾向
ナチュラルマイナー(Aeolian) ♭6 より暗い/切ない
ドリアン(Dorian) 6(ナチュラル) マイナーだけど少し明るい/おしゃれ

この6度の違いが、ドリアンの「明るいマイナー感」を作ります。

ギター指板での考え方(超実用)

ドリアンはメジャースケールのポジションを流用できるので、覚えやすいです。

  1. まず「親(元)」になるメジャースケールを決める
  2. 使う音はそのメジャースケールと同じ
  3. ドリアンのルートに着地する(主役にする)
  4. 6度を意識してフレーズに入れる

例:Dドリアン

  • 元のスケール:Cメジャー
  • 使う音:Cメジャーと同じ
  • 意識するルート:D(ここに着地するとドリアンっぽい)

要するに「Cメジャーの指板で、Dを主役に弾く」という感覚です。

ドリアンスケールがハマるコード進行

ドリアンが一番「それっぽく」決まるのは、m7コード上で使う場面です。特に定番は以下。

定番進行:m7 → 7

例:Dm7 → G7

このときDm7上でDドリアンを使うと、ファンク/ジャズの定番サウンドになります。

実践で「ドリアンらしさ」を出すコツ

ドリアン感を出すポイントはシンプルです。

  • 6度を積極的に使う(ドリアンのアイデンティティ)
  • ルート → 6度の動きを作る(短いフレーズでも効果大)
  • マイナーペンタ+6度という感覚で弾く(実用度高)

最短で使える覚え方

マイナーペンタナチュラル6度を足すだけでも、かなりドリアンっぽくなります。

TAB付き・そのまま使えるドリアンスケールのフレーズ例(Dドリアン)

この記事では、ギターでドリアンスケール(ドリアンモード)を“今すぐ使う”ための
TAB付きフレーズをまとめます。想定キーはDドリアン、コードはDm7(1コード)を基本にしています。

前提:Dドリアンの構成音と「ドリアン感」のポイント

Key:D Dorian(Dドリアン)

想定コード:Dm7

構成音:D E F G A B C

最重要ポイント:ドリアンらしさの正体は B(ナチュラル6度)
「マイナーペンタに6度を足す」感覚でOKです。

フレーズ①:最短でドリアン感が出る基本形(マイナーペンタ+6度)

まずはこれ。6度(B)を通るだけで、普通のマイナーから一気に脱却できます。

e|------------------------|
B|------------------------|
G|-----------5-7----------|
D|-------5-7--------------|
A|-5-7--------------------|
E|------------------------|
   D F G A B
  • 狙い:5弦7F(B)=6度を必ず通す
  • 使いどころ:ソロの入り・フィル・短い合いの手

フレーズ②:ルート→6度を強調した王道ドリアン

D → B(ルート→6度)の動きは、短いのにめちゃくちゃドリアンっぽく聴こえます。

e|------------------------|
B|------------------------|
G|-----------7-5----------|
D|-------7-5-------7------|
A|-5-7-----------7--------|
E|------------------------|
   D E F G A B D
  • 狙い:フレーズの終点(着地)をDにする
  • コツ:Bを“経過音”じゃなく“キャラ音”として目立たせる

フレーズ③:歌うようなメロディ型(上昇して気持ちよく)

メロディラインとして使いやすい形。B弦6F(B)が色気ポイントです。

e|-----------------5-7---|
B|-----------5-6-8-----8-|
G|-------4-5--------------|
D|-5-7--------------------|
A|------------------------|
E|------------------------|
   D E F G A B C D
  • 狙い:上昇していく“歌心”+6度の色気
  • 使いどころ:ミドルテンポ、バラード、メロいソロの一部

※このフレーズは最後をDに着地させると、よりモード感が安定します。

フレーズ④:ファンク寄り(カッティングの合間に差し込む)

ファンクやグルーヴ系で使いやすい、短くて鋭いライン。6度を短く入れるだけでOKです。

e|------------------------|
B|-------------6-8--------|
G|---------5-7------------|
D|-5-7--------------------|
A|------------------------|
E|------------------------|
   D E F G A B C
  • 狙い:短いフレーズでも“洒落感”が出る
  • 使いどころ:カッティングの隙間、バッキング中のフィル

フレーズ⑤:少し発展(8分〜16分で流せる定番形)

中盤〜終盤の盛り上げに使える、流れるライン。6度を主役級に扱います。

e|--------------------------|
B|------------6-8-6---------|
G|------5-7-----------7-5---|
D|-5-7----------------------|
A|--------------------------|
E|--------------------------|
  • 狙い:6度(B)を中心に“うねり”を作る
  • コツ:最後の着地はD(またはF)にすると安定しやすい

練習のコツ(これだけで実戦投入が早くなる)

① まずは Dm7 の1コードで回す
Dm7 | Dm7 | Dm7 | Dm7 |
② 「6度なし → 6度あり」を弾き比べる

まずはいつものDmペンタ(D F G A C)で弾き、次にB(6度)を入れる
たった1音で空気が変わるのを体感できます。

③ ルート(D)に着地する癖をつける

モード系は「どの音が主役か」が超重要。フレーズの終わりをDに寄せると一気に“ドリアン”になります。

まとめ

  • ドリアンスケールはマイナー系だけど明るい
  • 正体はメジャースケールの2番目スタート
  • 決め手はナチュラル6度(6)
  • 使いどころはm7コード上が特に強い
  • 実践はマイナーペンタ+6度が早い

About The Author

福岡LGMS音楽教室【LIGHT GUITAR MUSIC SCHOOL】ギター講師松尾領一郎
これまで、多くのバンド活動・サポート活動・作詞・作曲・レコーディング・メジャー流通のアーティストへの楽曲提供・演奏活動・CM曲・プロモーションを行ってきました。

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